Education

教育コンテンツ

理学の普及を以て国運発展の基礎とする

理学にしろ工学にしろ,物事を深く考え始める時,少なくとも研究時においては,基礎学術の深い理解が必要不可欠なことが多いです.そういう意味合いで,東京理科大学の建学精神にありますように,基礎学術(理学)の深い理解を普及させることで,理学も工学も大いに発展し,ひいては国運が発展するのではないでしょうか. 一見,量子力学などの基礎学術は難しくみえますが,簡易なモデル計算を通じ,目で見て楽しみ馴染んで頂くことは,学ぶ者の理解深化に繋がるため,とても大事なことだと感じています.研究室内・理科大の学生のみならず,多くの方々の学習に役立てられればと思います.

講義で扱う内容のうち,式を眺めるだけでは掴みにくいものを,ブラウザ上で手を動かしながら確かめられるようにしたものです.パラメーターを入力すると,その場で計算して描き直します.インストールは不要で,スマートフォンからでも動きます.

子曰,学而不思則罔,思而不学則殆(子曰く,学びて思わざれば則ち罔(くら)し,思いて学ばざれば則ち殆(あやう)し).

Quantum Mechanics

量子力学

単スリット実験 ― スリットを通る粒子はどこへ届くか

QM 01

スリットの幅と粒子の質量・速さを変え,1 個ずつ,あるいは 1 万個まとめて発射して到達点を貯めます. ヒストグラムが Fraunhofer 回折の理論曲線 |ψ(x)|2 に重なっていくことを確かめられます.表示範囲を固定したまま粒子を電子から野球のボールまで重くすると, 分布は 1 点に潰れ,古典的な描像へ移ります.

二重スリット実験 ― 1 個ずつ飛ばしても縞ができる

QM 02

a(中央遮蔽の半幅)と b(各スリットの幅)を変え,「▶ 1 個発射」で 1 個ずつ送り,「1 万個」で到達点を貯めます. 同じ粒子・同じ距離なら,縞の間隔は中心間距離 d=2a+b が, 模様全体の広がりは b が決めることを,画面の読み取り値と見比べて確かめられます. 既定の表示では,スリットを過ぎた粒子は両方の開口から広がる波として描かれ,スクリーン上でだけ 1 点として記録されます.

トンネル効果 ― 壁を通り抜ける確率と,波束が分かれる様子

QM 03

障壁の高さと厚みを変えると,①は透過率 T と反射率 R を入射エネルギーの関数として描き直し, 入力した運動エネルギー E での値を目印で示します. E<V0 でも T が残ること, このとき厚みをわずかに増すだけで T が桁で動くこと(走査型トンネル顕微鏡の原理), 障壁より高いエネルギーで現れる共鳴透過を確かめられます. ②では波束を走らせ,左右に残った確率を波束平均の理論値と比べられます.

Planck の公式 ― 温度を入れると光の色が分かる

QM 04

温度 T をスライダーで 3 K から 30000 K まで動かし,あるいは一覧から赤熱した鉄や恒星を選んで,黒体が出す光のスペクトルと目に映る色を見ます.温度を上げるとピークが短波長側へ動き(Wien の変位則),恒星の色から表面温度が読めることを確かめられます.

Ehrenfest の定理 ― 質量を小さくすると軌道はぼやける

QM 05

質量を野球ボールから電子,さらに軽い仮想の粒子まで下げ,初速と角度を決めて投げ上げます.一様重力場なので平均の位置は質量によらず古典的な放物線に乗り,変わるのはそのまわりの広がり σ(t) の太さだけです.軽くしていくほど軌道が雲に呑まれ,着地点の散らばりが広がることを確かめられます.

調和振動子 ― ばねと波動関数,そして第 2 量子化

QM 06

分子の振動から机の上のばねまで系を選び,①で n を 20 まで上げ,分布が古典の確率密度に寄るのを見ます. エネルギーは En=(n+12)ℏω と飛び飛びで,②で温度を下げてもいちばん下が 0 にならないこと, ③では確率分布に従ってまいた質点がぼやけたまま振動することを確かめられます. ④で量子を 1 個ずつ出し入れして波動関数の節が増えるのを追い, ⑤では同じ操作を,重なれるボース粒子と 1 準位に 1 個までのフェルミ粒子に当てて比べます.

水素原子 ― 軌道の形と,ぼやけた電子雲

QM 07

1s から 4f までの軌道と磁気量子数 m をボタンで選び,①では確率密度に従ってまいた質点(1 個が 1 回の測定)を,ドラッグで視点を回しながら眺め,断面だけの表示で殻と節を見ます.②では動径分布関数 P(r)=r2|R|2 と角度方向の断面を並べ,軌道ごとに節の数と電子の見つかりやすい距離がどう変わるかを確かめられます.

多電子状態 ― スピンの置き方と配位子場で,全エネルギーはどう変わるか

QM 08

①では 2p・3d・4f の準位に電子をクリックで詰め,軌道によらない一律のクーロン積分 U0 と交換積分 J で全エネルギーを組み立てます.配位を「なし」にすれば Hund の第 1 則(S 最大)が, 八面体にして 3d に 4〜7 個入れ,配位子場の強さ Δ を動かせば 高スピンと低スピンの入れ替わりが確かめられます. ②では配位子を点電荷として置き,八面体・四面体・正方歪み(Jahn–Teller 効果の入り口)を選んで, ドラッグで回せる配置の図と準位図を並べて見ます.

Green 関数と Feynman 図形 ― 電子の海に電子を 1 個入れて消す,調和振動子を非調和項で震わせる

QM 09

図形を 1 枚ずつ選び,線・波線・ループをクリックして数式の因子と電子の海のアニメーションを見比べます(①②).③では近似の次数を切り替えて温度を上げ下げし,自己エネルギーの虚部が峰の幅と生き残り振幅の減衰を生む様子を追い,④では主役をフォノンに替え,ポテンシャルの深さと温度を変えながら 4 次項のループと 3 次項の 2 図形を出し入れして,振動数のずれを Morse 型の厳密解と突き合わせます.図形は電子の軌跡ではなく,線のつなぎ方を書き留めた帳簿です.

相対論的量子力学 ― Schrödinger から Klein–Gordon・Dirac へ,自由電子ガスはどう変わるか

QM 10

粒子を選び,運動量を mc の 10−3 倍から 5 倍まで動かして,Schrödinger の放物線が,Klein–Gordon・Dirac の E=±p2c2+m2c4 の双曲線(下の枝が反粒子)から離れ始める場所を見ます(①). ②では箱の幅を,③では電子密度を,④では原子番号を 1 から 120 まで変え,分散関係と境界条件を置き換えると, 箱の準位も電子ガスの圧力も核のそばの電子分布も変わることを確かめられます.

素粒子入門 ― 原子をズームして,4 つの力と粒子の大きさを測る

QM 11

光っている粒子をクリックして,原子の中をクォークの階層まで降ります(①). ②では距離を 10−19〜10−9 m で動かして 4 つの力の優劣が入れ替わることを, ③では大きさに上限しか付かない電子やクォークが揺らぎでは桁違いに広い範囲を占め,材料の原子では逆転することを読み取ります. ④で交換される担い手を光子から重い粒子に替えれば,到達距離が ℏ/mc に縮むことが見えます.

リー群とリー代数 ― SU(2)・SO(3) から SO(10) まで,「群の名前」の読み方

QM 12

SO(3)・SU(2)・Sp(2,ℝ) から群を選び,パラメーターを動かして不変量を見張ります.「わざと群からはみ出す」にチェックを入れると値が動き出し,これらの名前が何を保存する変換の集まりかの宣言だと確かめられます.回転角を 720° まで回すと向きは 1 周で戻るのにスピノルは 2 周かかり,その先は昇降演算子のはしご,平面に並ぶ SU(3),リー代数の分類,1 世代 16 個を束ねる大統一へと続きます.

超伝導 ― 自発的対称性の破れ,Cooper 対,そして「虚数振動数を有するフォノン」

QM 13

上では 12 元素を選び,Ginzburg–Landau 自由エネルギーの「メキシコ帽」の縁の上で振幅(Higgs)と位相(南部–Goldstone)を動かし,温度を上げて縁が縮み椀に戻るまでと転移温度の決まり方を見ます(①〜③).④では格子の秩序変数でも自由エネルギーが同じ形になり,虚数振動数を有するフォノンが帽子の中心の負の曲率にあたります.下ではイオンを重くすると跡が長く延びて離れた電子が引き合い,結合を強めると対が電子間隔より大きい泡から小さな分子へ移ることを見ます.

Thermodynamics

熱力学

理想気体 ― 箱の中の分子から状態方程式(PV = nRT)を組み立てる

TD 01

気体と温度・圧力・体積を決めて「動かす」を押すと,分子が箱の中を飛び回ります. ①では,nRT/V を使わずに壁への力積だけを足し上げた圧力が同じ値にほぼ重なり, 「全員を同じ速さにする」を押しても衝突だけで Maxwell 分布に戻ることを確かめられます. ②では壁を固定するかピストンにするかを選んで温め, 加えた熱と気体がした仕事の棒から,ピストン側で余分に要る熱が押しのけ仕事にあたること (CP−CV=R) を読み取ります.

Carnot サイクル ― 熱から仕事が生まれる仕組みと,効率の上限

TD 02

高温と低温の熱源の温度・気体・膨張比を決めてサイクルを回すと, ①ではピストンの往復に合わせて 2 つの図の点が同時に 1 周し, P–V 図で囲む面積が 1 周ぶんの仕事にあたること, T–S 図では長方形になることを並べて見られます. ②では行程ごとの熱と仕事を表で追い,効率が η=1− TCTH となり,2 つの熱源の温度だけで決まって作動気体を替えても変わらないことを確かめられます.

Joule–Thomson 効果 ― 絞ると冷える理由と,エアコンの中身

TD 03

気体を 8 種類から選び,入口の温度と,圧力を落とす幅を変えて,断熱した細い穴に通します. ①では,この等エンタルピー変化で,T–p 図の逆転曲線の内側なら冷えること, He や H₂ は室温では外側にあって温まることを,理想気体では温度が変わらないので van der Waals の実在気体で計算して確かめます. ②では同じ絞りをエアコンの膨張弁にして,冷媒を 6 種類から選び, 冷房と暖房それぞれの p–h 線図と COP を読み取ります.

混合エントロピー ― 仕切りを外すと,なぜ勝手に混ざるのか

TD 04

左右に違う気体を選び,同温・同圧にして仕切りを外すと,①では混ざっていく分子を数えて測ったエントロピーが ΔS=−nRΣxlnx に近づきます.同温・同圧のまま左右を同じ気体にすると,色で区別した値だけが増えて熱力学の ΔS は 0 で,Gibbs のパラドックスが現れます. ②では,この混ざる向きが,等温で定積なら Helmholtz の F,定圧なら Gibbs の G が下がる向きと一致することを確かめます.

Gibbs 自由エネルギーと相 ― 氷・水・水蒸気はどこで入れ替わるのか

TD 05

外圧を 1 Pa から 10 bar まで変え,①では氷・水・水蒸気の G=H−TS を温度に対して 3 本描き,いちばん低い線が入れ替わる交点に融点と沸点が出ること, 三重点より低い圧力では液体がどこでも最低にならず氷が直に昇華することを見ます. 低温では H の低さが,高温では S の大きさが勝つ入れ替わり方も追えます. ②では圧力ごとの交点を集めると相図が組み上がるのを確かめます.

Solid-State Physics

固体物理学

分子軌道からバンドへ ― 原子を並べると準位は帯になる

SS 01

①では原子の数 N を 2 から 60 まで増やし,準位をクリックして軌道のかたちを見ます. 準位は同じ幅の窓のまま間隔だけが詰まって帯になり, ②③で輪にすると許される k はどれも 1 本の分散曲線に並び, 数を増やすほど密に詰まって,端に溜まった分布が理論曲線に近づきます. ④で原子か結合を交互にするとギャップが開き,半分埋まったバンドが満杯と空に分かれて絶縁体になり, ⑤で軌道を s から f まで選ぶと,位相の模様・逆格子の点・バンド図が連動し, 重なり方の違いが幅と分裂を決めます.

熱伝導方程式 ― 板とまわりの空気の温度が,どう時間変化するか

SS 02

物質と厚み,初期温度を決め,①で表面を固定するか対流で冷ますかを切り替えると,温度分布とモードごとの振幅が同時に動きます. 細かい温度むらほど速く消えて山ひとつが残ること,放射を切れば級数解と数値解が重なること, 対流にすると固有値問題ごと変わることを確かめられます. ②ではまわりに空気や水,耐火レンガを置いて外側まで解き, 触れた直後の界面の温度を決めるのは熱拡散率ではなく熱侵入率だと分かります(金属に触ると冷たい理由).

材料に熱が蓄積する起源 ― フォノンと比熱,そしてエネルギーの不確定性

SS 03

物質と温度を選び,①では 2 次元結晶の 0 K でも消えない振幅を, ②では古典(Dulong–Petit)・Debye・Einstein の格子比熱を, ③では準位のはしご上の Boltzmann 分布を見ます. 比熱とは,エネルギーがどれだけゆらげるかそのものです. ħω≫kBT のモードは最低準位から動けず熱を受け取れないこと,室温が高温かどうかは ΘD との比で決まることを確かめられます.

理想固体の状態方程式 ― Mie–Grüneisen と,熱膨張を決めているもの

SS 04

物質を選び,①では温度を上げながら supercell を回して,原子の揺らぎと格子の膨らみを見ます. 理想的なばねでは平均の位置が動かないので,膨らむには非調和性が要り, それを Grüneisen 定数にまとめて擬調和近似を置くと αV= γCV/ (BTV) の 1 行になります. ②では 38 種類の立方晶を並べて横軸を切り替え,正の熱膨張の大きさが体積弾性率にほぼ反比例することを確かめ, ③では膨らみ方・硬さ・比熱の温度依存を 2 物質で重ねます.

Inorganic Materials Science

無機材料学

X 線回折 ― Bragg の条件から,Bravais 格子が決めるピーク位置まで

IM 01

①では CsCl・SrTiO₃・NaCl の結晶面を選び,隣り合う面からの波が 2dsinθ=λ で強め合うことと,1 周期の中の原子層がピークの高さを決めることを見ます. ②では逆格子と Ewald 球を描いて Laue 条件が Bragg の条件と同じことを言っているのを確かめ, ③では構造因子を複素平面上の矢印の和として描き,面心立方格子などで反射が打ち消し合って消える消滅則を追います. ④では格子定数を揃えたまま箱の中身だけを入れ替えても,ピークが立ちうる 2θ は Bravais 格子だけで決まることを確かめ, ⑤では実在の 27 の結晶構造の粉末 XRD パターンをその場で計算し,⑥では Scherrer 式を使ってピーク幅から結晶子径を見積もります.

焼結 ― 粉がくっついて緻密になるまで

IM 02

①では焼結の前の工程である仮焼で,接した 2 種類の粉が原子の拡散で混ざり,秩序化合物か固溶体になる様子を見ます. ②からは焼結で,駆動力が表面エネルギーの減少であることを確かめ, ③では 2 球モデルのネック成長を機構ごとに比べて, (x/a)n∝t の指数 n が表面拡散で 7,粒界拡散で 6,体積拡散で 5,蒸発凝縮で 3 と変わることを両対数で見ます. ④では物質源が粒子表面か粒界かで,収縮するかどうかが決まることを, ⑤⑥では緻密化曲線を描いて,粒成長が気孔を置き去りにすると緻密化が止まることを確かめ, ⑦では加圧・液相・粉体設計・添加物の 4 つの手法の効き方を比べます.

2 成分系の状態図 ― 組成と温度を動かすと,組織はどう変わるか

IM 03

全率固溶型・共晶型・包晶型から系を選び,①では状態図の上をドラッグして,現れる相と組織,2 相の共存域ではてこの法則から求まる相分率を読み取ります. ②では各相の Gibbs 自由エネルギー曲線と共通接線から,2 相の平衡組成と状態図が組み上がる筋道をたどります. ③では融液を冷やし,平衡冷却と,固相内拡散を無視した Scheil 型の非平衡凝固を切り替えて,ミクロ偏析と非平衡共晶が現れる様子を組織の模式図で見ます. ④では融液を急冷するとガラスに,ゆっくり冷やすと結晶になる様子を, ⑤では高温で均一だったガラスや固溶体が,冷やすとスピノーダル分解で 2 相に分かれる様子を,原子の並びの模式図で見ます.

材料強度学・破壊力学 ― セラミックスはなぜ突然割れるのか

IM 04

セラミックスは硬く強いのに,ほとんど変形しないまま突然割れます. ①では引張試験で金属とセラミックスの試験片の伸び方と壊れ方を比べ, ②では穴やき裂の先端に応力が集中する様子と,Griffith のエネルギー収支から強度 σf=2Eγs/(πa) が決まることを見ます. ③ではき裂の先端の原子の模式図で,転位が動ける金属では先端が鈍り,動けないセラミックスでは結合が切れて割れることを確かめ, 破壊靱性 KIC から材料ごとに許容できるき裂の大きさを求めます. ④では試験片を 1 本ずつ壊して強度のばらつきが Weibull 分布にしたがうことを, ⑤では体積と試験法による強度の違いを見ます. ⑥では試験機でダイヤモンドの圧子を押し込み,残った圧痕の対角線を自分で測って Vickers 硬さ(ビッカース硬さ)を計算し,自動測定で答え合わせをします. ⑦では熱衝撃で試料の中に生じる温度と応力の分布を見ます.

熱電変換 ― なぜ最適キャリア濃度があるのか

IM 05

①では,温度差をつけると電圧が出る Seebeck 効果の起源を,高温側の荷電粒子が低温側へ拡散して電荷が偏る様子として眺めます. ②では単一放物線バンドモデルで Seebeck 係数 S・電気伝導率 σ・電子熱伝導率 κe をキャリア濃度に対してその場で計算し, 3 つの量が互いに邪魔をするので,性能指数 ZT=S2σT/κ が山になり,その頂上が 10¹⁹–10²¹ cm⁻³ に出ることを確かめます. ③では山の高さが品質因子 B だけで決まり,位置は有効質量で動くことを, ④では格子熱伝導率を下げる考え方(PGEC)を,⑤では変換効率と冷却の成績係数を,⑥では実材料の使いどころを見ます.

Inorganic Materials Science (Virtual Experiments)

無機材料学(仮想実験)

混ぜる・滴下する・加熱する・急冷する・測る,といった実験の操作をすると,材料の内部で何が起き,それが観察結果や測定値にどう現れるかを, 装置の図・内部の拡大模式図・グラフ・数値を連動させて確かめます. 工程は前の工程の試料の状態を引き継ぎ,条件を変えて直前の結果と比べられます. 図は模式で,数値には文献値・経験式・教育用の仮の値が混ざっています(区別は各画面と解説ページに書いてあります).

合成法を比べる ― 固相法・液相法・気相法(CVD・PVD)

IM 06

固相法では粉にエタノールを加えてすり混ぜ,乾かして仮焼し,液相法(共沈)では溶液を滴下して沈殿させて回収し,CVD では基板温度・圧力・原料ガスを,PVD では真空蒸着とスパッタリングを切り替えて条件を変えます. 粒子の接点から育つ生成物の層,溶液中のイオンの混合と沈殿,基板の表面での化学反応と副生成ガス,飛び出した原子の付着と膜の成長を,装置図・内部の模式図・グラフで比べます. 原料の状態・物質の通り道・反応や堆積が起こる場所が方式ごとにどう違い,粉や膜のどんな材料になるかが分かります.

YBCO の合成と超伝導体の浮上 ― 焼き方と酸素量が,浮き方を決める

IM 07

Y₂O₃・BaCO₃・CuO を秤量してエタノールで混ぜ,仮焼・再粉砕・成形・焼結・酸素化から研磨とかさ密度,4 端子法の抵抗測定までを 1 つの試料で進めて,相の変化・緻密化・酸素量 δ を追います. その試料や既製の試料(YBCO 溶融成長バルク,GdBCO バルク,Bi-2223 焼結体)を液体窒素で冷やして磁石に載せ,ゼロ磁場冷却と磁場中冷却,押し付ける・横に動かす・温める,の違いを磁束の図と力のグラフで見ます. Tc 以下なら同じように浮くのではなく,酸素量・組織・電流の回る大きさ・冷やし方の履歴で浮き方が変わることが分かります.

バリウムフェライト ― 共沈した前駆体から磁性材料へ

IM 08

塩化鉄と塩化バリウムの溶液(Fe/Ba の仕込み比を選ぶ)を,水酸化ナトリウムと炭酸ナトリウムの溶液に注いで沈殿させ,温水で洗い,吸引ろ過・乾燥してから電気炉で仮焼し,最後に仮焼粉を成形・焼結・着磁します. pH と沈殿率,上澄み・ろ液へ出ていく成分,仮焼中の相の割合と質量の変化,天秤で測る焼結体の見かけの残留磁化を,液中のイオンと粒子,焼結体の粒・気孔・磁化の向きの模式図で追います. 沈殿は含水酸化鉄と BaCO₃ の前駆体で,BaFe₁₂O₁₉ は仮焼して初めてできることと,仕込み比のずれ・洗浄での溶け出し・仮焼の温度不足が生成物と磁石の強さにどう残るかが分かります.

ガラスをつくる ― 酸化物を混ぜ,融かし,冷やす

IM 09

SiO₂・Al₂O₃・MgO・B₂O₃・Na₂O・K₂O の配合(mol% または mass%)を決め,実際に秤量する原料(ケイ砂・炭酸塩・ホウ酸)を量って乳鉢で混ぜ,電気炉で融かしてから,水に流す・金属板で押さえる・炉冷などの冷やし方を選びます. 炭酸塩の分解で出る CO₂ の泡,泡抜けと均質化,網目の中での Al と B の役割,冷却曲線と CCT・TTT 図の重なりを見ます. ガラスになるかどうかは冷やす速さと組成の両方で決まり,どんな配合でもガラスになるわけではないことが分かります.

セッコウ・セメント ― 水を加えると,なぜ固まるか

IM 10

粉の種類・水/粉体比・温度を決め,粉を入れる → 混ぜる → 時間を進める,と操作します. 焼石膏では液が二水セッコウに対して過飽和になって針状の結晶が絡み合う様子を,ポルトランドセメントでは粒子の表面から C–S–H・水酸化カルシウム・エトリンガイトが育って粒子どうしがつながる様子を,反応率・発熱・気孔率とともに見ます. 水が蒸発して固まるのではなく,水を取り込んだ水和物が析出してつながるから固まることと,水が多いほど気孔が多く残ることが分かります.

Mathematics

数学

Taylor 展開 ― 次数を上げると,どこまで関数に近づくか

MA 01

①では,収束の様子が異なる 10 種類の関数を選び,次数を上げると 合っている範囲がどこまで広がり,どこで頭打ちになるかを見ます. ②では調べる点を動かし,定理が存在しか言わない c を数値で探して 実際の誤差と Lagrange の上界を突き合わせ, 収束半径が複素平面の特異点で決まることを確かめます. ③では単振り子や Lennard-Jones ポテンシャルで, 何に比べて小さいかを言えたときに初めて展開できることに触れます.

Lagrange の未定乗数法 ― 拘束条件つきで,いちばん低いところを探す

MA 02

①では,分子軌道 Ψ=cAψA +cBψB の係数 2 つを軸にとった平面で,規格化の拘束条件が描く楕円の上を一周させ,エネルギーがいちばん低くなる点を探します. ②では未定乗数 ε を動かし,行列式が 0 になる ε でだけ波動関数が消えない解が現れることを確かめます. ③ではプリセットやスライダーで αA と αB を離し,準位図と波動関数から,結合の性格が共有結合からイオン結合へ移る様子を追います.

行列式 ― 面積・体積として見ると,線形代数がつながる

MA 03

①では 2 本のベクトルを,②では 3 本目のベクトルを動かし, 平行四辺形の面積・平行六面体の体積が |det| と一致することを, 底辺×高さ・底面積×高さの検算値と突き合わせます. ボタンで 2 本を重ねたり 3 本目を残り 2 本が張る平面へ落としたりすると 0 になります. ③では例を選んで係数行列の 3 行目を動かし, rank が落ちるほど解が原点から直線・平面へ広がることを見ます.

行列の対角化 ― 見やすい基底に取り替える

MA 04

軌道を選び,基底を混ぜたり回したりするつまみを動かして,行列の赤い非対角成分が消える角度を探します. ①では 2p・3d・4f を実形と複素形で切り替えて確率流が止まる側と流れる側を, ②では x 方向のスピン σx が新しい基底では上向き・下向きそのものになることを, ③ではばねでつないだ 2 質点の変位は変わらないまま,新しい成分が独立な単振動 2 本に分かれることを確かめられます.

確率の期待値 ― サイコロの目から |ψ|² まで

MA 05

①で目の付け方を「0〜6 を n 等分」にして面の数を 6 から 1200 まで増やすと, 1 つの目が出る確率は 0 に潰れるのに,目の幅で割った確率密度は動きません. ②で出やすさの形を「二つの山」にすると期待値はどちらの頂上でもない値を指し, ③で分割数を 200 まで上げると,離散の和が ⟨x⟩=∫x |ψ |2 dx に変わります.④では混ぜぐあいを変えて測り, 出るのは 2 つの準位の値だけなのに平均はそのあいだに落ちることを確かめられます.

フーリエ級数 ― 波を足して形を作る

MA 06

①では 6 種類の波形を選び,N を 60 まで増やして, 大まかな形が先にでき,跳びのある波では Gibbs の振動が残ることを見ます. ②では 2 本の基底の積の面積が打ち消して直交することを, ③では熱伝導と波動ではじめの形を時間発展させ, 波ごとに独立に解けて熱伝導では細かい波ほど速く消えることを確かめます. ④では金属を選び,電子の濃さを変えると,微分が波数の掛け算に変わるおかげで, 電子の応答まで入れた方程式が割り算で解けて Thomas–Fermi 遮蔽が出てくることを追えます.

減衰振動と強制振動 ― 2 階線形微分方程式の解き方

MA 07

①で抵抗 γ のスライダーを上げると,止まり方が減衰振動・臨界減衰・過減衰へと移り変わり, ②ではその境目が,複素平面の 2 つの根が円の上をすべって実軸でぶつかる瞬間だと分かります. ③で外力を加えると,どんな初期条件から出発しても,減衰があるかぎり最後は外力と同じ振動数の揺れだけが残ります. ④では Q 値を 1 から 100 まで切り替え,共鳴の高さと山の狭さが同じ 1 つの数で決まることを確かめます.

Advanced Materials

発展教材

High School Mathematics

高校数学

AD 01

望月の手書きノート『数学ノート 高校数学』をもとに,論理と集合・三角形の性質・三角比・図形と方程式・加法定理・対数・ベクトル・2次曲線を,公式を覚えるのではなく導けるように学ぶ教材です. 全8章と付録1つからなり,パスワードなしで読めます.

教材を開く パスワード不要.「高校数学」へ進む

University Mathematics

大学数学

AD 02

望月の手書きノート『数学ノート』9冊(微分積分学・線形代数学・確率の基礎・ベクトル解析・複素解析学・フーリエ級数と変換・ラプラス変換・常微分方程式・偏微分方程式)をもとに,大学数学を理解したいと願う早熟な高校生でも読めるように書いた教材です. 全49章と付録2つからなり,パスワードなしで読めます.

教材を開く パスワード不要.「大学数学」へ進む

University Physics

大学基礎物理学

AD 03

望月の手書きノート『物理学ノート』8冊(力学・波動・材料力学・熱力学・電磁気学・解析力学・統計力学・特殊相対性理論)をもとに,大学物理学を理解したいと願う早熟な高校生でも読めるように書いた教材です. 全58章と付録2つからなり,パスワードなしで読めます.

教材を開く パスワード不要.「大学基礎物理学」へ進む

Quantum Mechanics

量子力学

AD 04

望月の手書きノート『物理学ノート 量子力学』3冊をもとに,大学の物理学科で学ぶ量子力学を基礎から理解したい材料工学の学生(早熟な高校生を含む)に向けて書いた教材です. 全65章と付録2つからなり,パスワードなしで読めます.

教材を開く パスワード不要.「量子力学」へ進む

Computational Materials Science

マテリアル計算科学

AD 05

分子の量子化学計算から固体の電子状態までを,数式の変形を省略せずにたどる教材です. 本学科の講義『マテリアル計算科学』がもとになっていて,全14章と付録3つからなります.

Solid-State Physics

固体物理学

AD 06

結晶学と群論から出発して,フォノン分散・電子バンド・Fermi 面・誘電体・磁性体までをつなぐ教材です. 全20章と付録3つからなります.

Density Functional Theory

密度汎関数理論

AD 07

密度汎関数理論と第一原理電子状態計算を,基礎から数式を追いながら学ぶための教材です. 全18章からなります.

Linear Response Theory

線形応答理論

AD 08

減衰振動子を Green 関数で解くところから始めて,久保公式・誘電関数・プラズマ振動・松原 Green 関数まで進む教材です. 複素積分を学んでいない読者のために,留数定理の章を独立に設けてあります.全14章と付録4つからなります.

Elementary Particle Physics

素粒子物理学

AD 09

材料科学との接点を置いた教材です. 電子・正孔と粒子・反粒子,超伝導の U(1) 対称性の破れと Higgs 機構,マヨラナ粒子,核融合と照射損傷までつなぎます. 全16章と付録5つからなります.

Restricted material

発展教材

この教材は現在,内容を検証中です.閲覧用パスワードを入力してください.

一度確認すれば,検証中の教材をすべてそのまま開けます.認証は,このブラウザタブを閉じるまで有効です.