超伝導体では,Cooper 対の凝縮を表す複素数の秩序パラメーター ψ が有限になり,位相を回す U(1) 対称性が自発的に破れます. ①では Ginzburg–Landau (GL) の自由エネルギー f = a|ψ|² + (b/2)|ψ|⁴ + |(−iħ∇ − e*A)ψ|²/2m* の「メキシコ帽」を描き, 温度を上げる(a = a₀(T − Tc) が正になる)と対称性の破れた状態が不安定化して帽子が椀になる様子を,係数 a・b・有効質量 m*・有効電荷 e*・ベクトルポテンシャル |A| を動かしながら, Al・Ga・In・Tl・Sn・Pb・Zn・Cd・Hg・V・Nb・Ta の実測値から決めた係数で見ます.②では BCS 平均場のギャップ方程式を解いて転移温度 Tc とギャップ Δ(T) を求め(McMillan 式・Gor'kov の対応つき), ③では帽子の上の二つの振動 ― 振幅の Higgs モードと位相の南部–Goldstone モード ― と Anderson–Higgs 機構を,④では同じ自由エネルギーが格子のソフトモード(DFT で出る「虚数振動数を有するフォノン」)として現れることを示します. 辻直人「非平衡超伝導の物理」(物性若手夏の学校)の第 2・3 章に沿っています.数式・導出・文献調査は解説ページへ.
姉妹ページ:解説 ― GL 理論・BCS 理論・自発的対称性の破れとフォノンの Higgs/Goldstone モード(superconductivity-derivation.html) | 関連:Cooper 対シミュレーター(格子の跡・BCS–BEC クロスオーバー)・相対論的量子力学シミュレーター・素粒子シミュレーター | 東京理科大学 望月研究室