金属の棒を温めたとき,入れた熱はどこへ行くのでしょうか. 行き先は原子の振動です.原子はばねでつながれていて,その振動は結晶全体を走る波 ―― フォノン ―― になります. ①では周期的境界条件を入れた 2 次元の結晶を,温度を上げながら実際にゆらしてみます. 振幅は原子変位パラメーター ADP の式そのままなので,温度を 0 にしても振動が止まりません. ②では 1 原子あたりの定積比熱を温度の関数として描きます ―― 古典論は T によらず 3kB のまま(Dulong–Petit の法則)ですが, 実際は T → 0 で 0 へ落ちます. ③でその理由を見ます.振動のエネルギーは ħω の塊でしかやりとりできず, kBT がその塊より小さいモードは眠ったままなのです.
Debye 温度 ΘD・原子量・格子定数・金属半径・融点は標準的な文献値です. ADP と比熱は Debye 模型(3 次元)の式で,①の波の見た目だけが 2 次元正方格子の分散によっています.