大学基礎物理学 — 目次 発展教材 AD 03 全58章+付録2つ

大学基礎物理学— 力学から特殊相対性理論まで,早熟な高校生のための大学物理学 —

本書は,望月泰英の手書きノート『物理学ノート』8冊(力学・波動・材料力学・熱力学・電磁気学・解析力学・統計力学・特殊相対性理論)をもとに, 理工系の大学で最初の数年に学ぶ物理学の土台を一冊にまとめた教材である.ノートの法則・定義・導出・計算例・図は一つも省かずに収め, そのうえで大学物理学を理解したいと願う早熟な高校生でも読めるように,新しい記号の読み方,式変形の行間,具体例と図を補った. ノートに書かれていない内容でも教科書として欠かせないもの(破壊力学,本格的な統計力学,ミンコフスキー時空と4元ベクトル など)は,章を立てて補った.

各節には途中式を省略しない例題を,各章末には演習問題を置いた.必要な数学は姉妹編「大学数学(AD 02)」の該当節へのリンクで補える. 高校物理で公式として覚えたこと(等加速度運動の式,単振動の周期,ドップラー効果,気体の状態方程式,クーロンの法則 など)が,微分積分を使うとどのように導かれ,互いにどうつながるのかを示すことを重んじた. 例題には,金属・セラミックス・半導体など材料科学の題材を多く使っている.量子力学は扱わない(別の教材で扱う予定である).統計力学と特殊相対性理論の部は,量子力学・物性物理学・素粒子物理学へ進むための準備も兼ねている.

読み方
  • 第I部(力学)がすべての土台である.まず第1章から第10章までを順に読む.
  • 第II部(波動)・第III部(材料力学と破壊力学)・第IV部(熱力学)・第V部(電磁気学)は,第I部のあと,興味のある部から読んでよい.第V部の最後の章(電磁波)は第II部の光とつながっている.
  • 第VI部(解析力学)は第I部を,第VII部(統計力学)は第IV部と第VI部を,第VIII部(特殊相対性理論)は第I部と第V部を前提にしている.
  • 物理定数・単位・記号は付録Bで引ける.演習問題の解答は付録Aにある.
第I部 力学
  1. 第1章運動の記述 — 位置・速度・加速度とベクトル 質点というモデル,位置ベクトル・変位・速度・加速度,SI基本単位・組立単位と次元解析,1次元の等加速度運動 — 高校物理の3公式を導く,自由落下と鉛直投げ上げ,$x$-$t$ グラフと $v$-$t$ グラフ — 傾きと面積,内積・外積の予告 — 力学に現れる場面
  2. 第2章ニュートンの運動の法則 — 運動量と角運動量 運動の第1法則と慣性系,運動の第2法則 — 運動方程式と運動量・力積,運動の第3法則 — 作用・反作用の法則と内力・外力,運動量保存則 — 2体系から $N$ 体系へ,力のモーメントと角運動量,発展:反発係数と1次元衝突
  3. 第3章曲線運動の記述 — 極座標と接線・法線加速度 平面極座標への変換,極座標系の基底ベクトル — 回転行列,単位接線ベクトルと速度,単位法線ベクトルと加速度の接線・法線成分,曲率半径の公式と例題
  4. 第4章仕事とエネルギー 仕事の定義 — 力と変位の内積,仕事と運動エネルギー — 仕事エネルギー定理,曲線上での仕事 — 摩擦がある場合の例,保存力とポテンシャルエネルギー,力学的エネルギーの保存則,仕事率とポテンシャルエネルギー曲線
  5. 第5章放物運動と円運動 — 空気抵抗と向心加速度 空気抵抗のない放物運動 — 軌道・最高点・水平到達距離,空気抵抗のある放物運動 — 速度に比例する抵抗と終端速度,発展:速度の2乗に比例する抵抗と高速物体の終端速度,等速円運動と向心加速度
  6. 第6章極座標で見る運動と2次曲線 極座標での速度,極座標での加速度 — 各項の物理的意味,極座標の2次曲線 — 離心率による分類
  7. 第7章単振動・減衰振動・強制振動 ばね振り子と単振動の一般解,単振動のエネルギーと単振り子,減衰振動 — 抵抗があるときの3つの場合,強制振動と共振
  8. 第8章中心力と惑星の運動 — ケプラーの法則と地球トンネル 中心力と角運動量保存 — 面積速度一定(ケプラーの第2法則),ケプラーの第1法則の証明,ケプラーの第3法則 — 周期と軌道長半径,万有引力の位置エネルギー・有効ポテンシャル・脱出速度,一様な球の内部の重力(殻定理)と地球トンネル
  9. 第9章運動座標系と慣性力 — 遠心力とコリオリ力 慣性系と非慣性系 — 並進加速度系の慣性力,回転座標系での時間微分,遠心力とコリオリ力,地球の自転と身近な現象,極座標の加速度との対応
  10. 第10章質点系と剛体 — 重心・慣性モーメント・回転の運動方程式 質点系の重心と重心の運動方程式,大きさをもつ物体の運動 — 剛体を扱うための2つの方程式,慣性モーメントの定義,棒の慣性モーメント — 端まわりと重心まわり,球の慣性モーメント(I)— 球座標による計算,球の慣性モーメント(II)— 薄い円板の重ね合わせによる別解,平行軸の定理・直交軸の定理と代表的な形の慣性モーメント,剛体の角運動量・回転の運動方程式・回転運動エネルギー,すべらずに転がる運動 — 斜面を転がる球と円柱,実体振り子
第II部 波動
  1. 第11章波の基本性質 — 波の式・干渉・定常波・回折 単振動の復習 — 波を理解するための出発点,波動方程式 — 波形が崩れずに伝わることの数学,波動とは何か — 横波と縦波,波動関数の導出,位相速度と波の進む向き,波のエネルギーと波の強さ,波の干渉 — 同位相・逆位相,定常波,ホイヘンスの原理と反射・屈折の法則,波の回折
  2. 第12章音波 — ドップラー効果・うなり・共鳴・弦の振動 音速とドップラー効果,衝撃波 — 音源が音速を超えるとき,斜めドップラー効果とうなり,共鳴と気柱の定常波,開口端で反射が起こる理由,弦の共振と弦を伝わる波の速さ,音さによる弦の共振
  3. 第13章光波の基礎 — 光速の測定と屈折率 光波と音波の比較,偏光とマリュスの法則,絶対屈折率,音波と光波における分散の違い,光速は有限か — レーマーの天文学的発見(1676年),光速の測定(1) — フィゾーの実験,光速の測定(2) — 回転鏡の方法(フーコー)
  4. 第14章光の反射と屈折 — 位相の変化・フェルマーの原理・全反射 固定端反射と自由端反射 — 境界条件からの導出,線密度の異なる弦の反射・透過条件,反射条件の物理的意味 — 弦から光へ,反射・屈折の法則,フェルマーの原理 — 光学的距離が最小(停留値)をとる,電磁波としての光と光の分散,全反射 — 臨界角と光ファイバー
  5. 第15章レンズと結像 レンズと焦点,符号の約束,凸レンズの写像公式の導出,凹レンズの写像公式の導出,複数レンズによる結像 — 逐次結像法と密着レンズ,レンズの応用 — 虫めがね・カメラ・顕微鏡
  6. 第16章光の干渉と回折格子 — ヤングの実験・薄膜・ニュートンリング 光学的距離(光路長),ヤングの実験,回折格子,薄膜による光の干渉,くさび形空気層の干渉,ニュートンリング,発展:干渉の応用 — 反射防止膜・干渉フィルター・X線回折
  7. 第17章波の重ね合わせとフーリエ解析 — 波束と群速度 重ね合わせの原理とダランベールの一般解,周期的な波のフーリエ級数 — 矩形波とのこぎり波,弦と気柱の固有振動 — 変数分離とフーリエ基底,うなり — もっとも単純な波束,波束と群速度・分散関係,フーリエ変換と波束の幅 — $\Delta x\,\Delta k\gtrsim1$
第III部 材料力学と破壊力学
  1. 第18章材料力学の基礎 — 荷重・応力・ひずみ 材料力学の基礎仮定と内力,荷重の分類,応力の定義,縦ひずみ・横ひずみとポアソン比,せん断ひずみと体積ひずみ
  2. 第19章フックの法則・弾性係数と材料試験 フックの法則,縦弾性係数・横弾性係数・体積弾性係数,発展:弾性定数の関係 — なぜ独立な弾性定数は2つだけなのか,材料試験,発展:応力–ひずみ線図の詳細と真応力・真ひずみ
  3. 第20章多軸応力・はりの曲げ・ねじり 応力テンソルとその対称性,平面応力の座標変換と主応力・最大せん断応力,モールの応力円,一般化されたフックの法則・熱ひずみと熱応力・ひずみエネルギー密度,はりの曲げ(1)— 曲げ応力と断面二次モーメント,はりの曲げ(2)— せん断力図・曲げモーメント図とたわみ,円形断面の軸のねじり
  4. 第21章破壊力学の基礎 — 応力集中・グリフィス理論・破壊靱性 理論強度とInglisの応力集中,Griffithのエネルギー釣り合い,応力拡大係数とき裂先端の応力場,エネルギー解放率 $\mathcal G$ と2つの破壊条件,破壊靱性 $K_{\mathrm{IC}}$ とその測定,き裂先端の塑性域とJ積分,R曲線と強靱化機構
  5. 第22章疲労・強度のばらつき・環境による破壊 疲労とは何か — S–N曲線と疲労限度,Basquin則 — べき乗則で表す疲労寿命,破壊力学からの接続 — Paris則とき裂進展寿命の積分,Miner則 — 線形累積損傷則,延性–脆性遷移とシャルピー衝撃試験,Weibull統計 — 最弱リンクモデルと強度のばらつき,Weibullプロットと寸法効果・有効体積,熱衝撃抵抗,応力腐食割れ・遅れ破壊・亜臨界き裂進展
第IV部 熱力学
  1. 第23章熱と温度 — 気体の法則と状態変化 熱運動と温度の目盛り,熱量・比熱・熱容量と熱量の保存,内部エネルギー,熱力学第1法則と第2法則,ボイルの法則・シャルルの法則とボイル=シャルルの法則,理想気体の状態方程式,定積変化と定圧変化,等温変化と断熱変化,線膨張率と体膨張率
  2. 第24章気体分子運動論とファンデルワールスの状態方程式 熱力学第0法則と気体分子運動論への準備,気体分子運動論の導出——圧力と分子の運動エネルギーの関係,ボルツマン定数・自由度とエネルギー等分配の法則,ファンデルワールスの状態方程式と気体の液化
  3. 第25章実在気体 — 対応状態の原理・圧縮因子・ビリアル展開 対応状態の原理と還元状態方程式,実在気体と圧縮因子 $Z$,ビリアル展開とビリアル状態方程式,ビリアル係数とボイル温度
  4. 第26章熱力学の系と状態量 — 準静的過程と仕事 系の分類 — 孤立系・閉じた系・開いた系,エネルギー・仕事・熱と内部エネルギー,状態関数と経路関数,準静的過程・可逆過程・不可逆過程,内部エネルギーの状態量表示と分子運動の自由度,熱力学第1法則の書き直しと完全微分・不完全微分,仕事の一般式
  5. 第27章熱容量・エンタルピーとジュール=トムソン効果 膨張の仕事 — 定圧・自由・可逆・等温可逆膨張,熱容量・定積熱容量とエンタルピー・定圧熱容量,断熱変化の関係式とポアソンの公式,内部エネルギーの全微分・内圧・膨張率・等温圧縮率,マイヤーの関係式 — 理想気体と一般の場合,エンタルピーの全微分とジュール=トムソン効果,等温ジュール=トムソン係数の測り方・逆転温度と液体ヘリウムの製造
  6. 第28章カルノー・サイクルと熱機関の効率 熱力学第2法則の2つの表現とその同値性,カルノー・サイクルの4つの過程,熱効率と逆回転カルノー・サイクル,カルノーの定理 — 可逆機関の効率は最大であり作業物質によらない,理想気体のカルノー・サイクル — 熱効率 $\eta=1-T_1/T_2$ の導出,オットー・サイクル — 断熱変化と定積変化によるサイクル,ディーゼル・サイクル,冷凍機とヒートポンプの成績係数
  7. 第29章エントロピー — 定義と状態量であることの証明 エントロピーの定義 — カルノー・サイクルからの動機づけ,理想気体のエントロピー,ファンデルワールス気体のエントロピー,理想気体の等温可逆膨張の $\Delta S$,エントロピーが状態量であることの証明,$\eta$ の測り方 — 三重点セルによる温度の決め方,クラウジウスの等式・不等式とエントロピー増大則,理想気体の断熱自由膨張は自発的か
  8. 第30章自由エネルギー — 変化の向きと最大仕事 熱の移動方向性,相転移でのエントロピー変化,温度変化に伴うエントロピー変化と絶対零度でのエントロピー(第3法則の予告),ヘルムホルツ自由エネルギーとギブスエネルギーの導入,最大仕事と非膨張の最大仕事,ギブスエネルギーの温度変化とギブス=ヘルムホルツの式
  9. 第31章熱力学的関係式とマクスウェルの関係式 内部エネルギー $U$ の全微分とマクスウェルの関係式(I),エンタルピー $H$ の全微分とマクスウェルの関係式(II),ヘルムホルツ自由エネルギー $A$ の全微分とマクスウェルの関係式(III),ギブスエネルギー $G$ の全微分とマクスウェルの関係式(IV)とまとめ — 熱力学的正方形,発展:自然な変数とルジャンドル変換,熱力学的状態方程式と気体の内圧,一般のマイヤーの関係式の導出,熱力学的安定性の条件
  10. 第32章熱力学第3法則と相転移の規則 ネルンストの定理とその歴史,絶対エントロピーと熱力学第3法則(ゾンマーフェルトの表現),絶対零度における熱容量と熱膨張係数,トルートンの規則とリチャーズの規則,発展:クラウジウス=クラペイロンの式,発展:水の $p$-$T$ 相図と絶対零度に到達できないこと
  11. 第33章熱伝導方程式 熱伝導方程式の導出,定常状態の解 — 両端の温度が異なる場合,変数分離法とフーリエ級数 — 初期温度分布が与えられる場合1,初期温度分布が与えられる場合2 — 定常項と非定常項への分解
  12. 第34章熱統計力学への入口 — マクスウェルの速度分布 熱統計力学の目的,分布関数とマクスウェルの独立性の仮説,気体分子の衝突と圧力,マクスウェルの速度分布則,仮説の無矛盾性の確認と速さの分布
第V部 電磁気学
  1. 第35章クーロンの法則とガウスの法則 クーロン力と万有引力 — 二つの逆2乗則の違い,電場という考え方 — 遠隔力から近接力へ,マクスウェル方程式No.1の導出 — クーロンの法則から発散定理へ,電束密度 $\bm D$ とガウスの法則の完成,ガウスの法則の物理的意味,検証:導体球の静電誘導
  2. 第36章電位とコンデンサー 電位差と静電場のする仕事,一様な電場の電位と無限遠を基準にした電位,電荷の位置エネルギーと静電誘導,ガウスの法則を使った電場の計算 — 無限平面と無限直線,球対称に分布した電荷の電場と電位,平行平板コンデンサー — 公式とエネルギー,球形・円柱形コンデンサーとポアソン方程式,連続的に分布した電荷による電位と電場,電気双極子
  3. 第37章定常電流と電気回路 電流の定義と電流の3通りの表し方,電流密度と電荷保存則(連続の方程式),オームの法則と抵抗のミクロ模型,ジュール熱と電力,抵抗の直列接続・並列接続,キルヒホッフの法則,RC回路の過渡現象 — コンデンサーの充電と放電
  4. 第38章磁場の源 — ビオ=サバールの法則とアンペールの法則 磁力・磁場・磁束密度,磁束とビオ=サバールの法則,直線電流のつくる磁場,円形電流とソレノイドがつくる磁場,アンペールの法則 — 積分形と微分形,磁気双極子モーメントと円形電流の遠方の磁場
  5. 第39章電流と荷電粒子にはたらく磁気力 — ローレンツ力とホール効果 アンペール力 — 磁場中の電流にはたらく力,2本の平行導線間にはたらく力,アンペール力はなぜ生じるのか — 磁力線の描像,ローレンツ力,ローレンツ力とアンペール力の等価性,一様な磁場中の荷電粒子の円運動 — サイクロトロン運動,斜め入射のらせん運動とオーロラ,ホール効果
  6. 第40章電磁誘導とインダクタンス 電磁誘導の発見とレンツの法則,ファラデーの電磁誘導の法則 — 積分形から微分形へ,磁場を横切る導体棒に生じる誘導起電力,ローレンツ力からみた起電力,自己インダクタンス — ソレノイドを例に,相互インダクタンス,コイルに蓄えられるエネルギーと磁場のエネルギー密度,RL回路の過渡現象,LC回路の電気振動 — 単振動との対応,発電機と変圧器
  7. 第41章物質中の電場と磁場 — 誘電体と磁性体 誘電体と分極,磁性体と磁化,物質中のガウスの法則とアンペールの法則・境界条件
  8. 第42章マクスウェル方程式と電磁波 変位電流とアンペール=マクスウェルの法則,4つのマクスウェル方程式 — 電磁気学の完成,電磁波の波動方程式の導出,平面電磁波の性質 — $\bm E\perp\bm B\perp\bm k$ と $E=cB$,電磁場のエネルギーとポインティング・ベクトル,電磁波のスペクトル,2次元波動方程式の例題 — 導波管・空胴共振器への応用,第V部 電磁気学のまとめ
第VI部 解析力学
  1. 第43章ラグランジュの運動方程式 — 一般化座標と一般化力 自由度と一般化座標 — なぜ座標を取り替えるのか,一般化運動量,一般化力,保存力の場合のラグランジュの運動方程式 — $L=T-U$,非保存力を含む場合のラグランジュの運動方程式,ダランベールの原理と仮想仕事の原理,例:1次元の直線運動と2次元の回転運動
  2. 第44章ラグランジュ形式の応用と変分原理 ラグランジュの運動方程式の意義 — 何がうれしいのか,応用例:落下運動・単振動・単振り子,応用例:惑星の運動 — 第8章の結果との照合,汎関数と作用 — ハミルトンの原理(最小作用の原理),変分法によるオイラー–ラグランジュ方程式の導出,変分原理の応用 — 最短経路・フェルマーの原理・最速降下線,ラグランジュの未定乗数法 — 束縛力を陽に求める
  3. 第45章ハミルトンの正準方程式と位相空間 一般化運動量からハミルトニアンへ — ルジャンドル変換,ハミルトンの正準方程式の導出,自然な系のハミルトニアン $H=T+U$ とエネルギー保存,例:単振り子と惑星運動のハミルトン形式,位相空間と相軌道,巡回座標と保存する運動量
  4. 第46章対称性と保存則・ポアソン括弧・正準変換 巡回座標とエネルギー関数 — 保存量の第一の顔,対称性と保存則 — ネーターの定理,ポアソン括弧,正準変換,リウヴィルの定理とハミルトン・ヤコビ方程式 — 第VII部への橋渡し
第VII部 統計力学
  1. 第47章統計力学のための数学 — n次元球・スターリングの公式・ゼータ関数 なぜ「n次元」の数学が必要か — n次元球の体積,n次元球の体積の証明 — n重ガウス積分を使う道,スターリングの公式,ゼータ関数の定義と収束,ゼータ関数を含む積分 — ボース型・フェルミ型積分
  2. 第48章微視的状態と等重率の原理 — ミクロカノニカル分布 微視的状態と巨視的状態,古典力学の位相空間 — 微視的状態を数える,エルゴード仮説 — 時間平均と位相平均,等重率の原理とミクロカノニカル分布,状態数の例 — 2準位スピン系とアインシュタイン固体,理想気体の位相空間体積 — $n$ 次元球による計算
  3. 第49章熱力学的重率とボルツマンの原理 熱力学的重率 $\Omega(E)$ と $W(E)$ — 理想気体の位相空間体積,ボルツマンの原理 $S=k_{\mathrm B}\ln W$,エントロピーの一般的な性質 — 示量性と2つの定義の同値性,熱的接触と最も確からしい分配 — 温度の統計力学的定義,圧力・化学ポテンシャルとエントロピーの偏微分,理想気体のエントロピー — ザックール=テトローデの式,ギブスのパラドックスと混合エントロピー,発展:熱力学第3法則とのつながり
  4. 第50章カノニカル分布と分配関数 カノニカル・アンサンブルとボルツマン因子,系と熱浴 — ボルツマン因子の導出,分配関数と,そこから求まる物理量,応用 — 気圧の高度分布とマクスウェル分布の再導出,エネルギーのゆらぎと熱容量,ミクロカノニカル分布との等価性,等分配則,別の視点:ラグランジュの未定乗数法によるカノニカル分布
  5. 第51章カノニカル分布の応用 — 理想気体・固体の比熱・常磁性 単原子分子理想気体の分配関数,調和振動子とアインシュタイン模型の比熱,2準位系とショットキー比熱・負温度,スピン$1/2$の常磁性体とキュリーの法則,2原子分子の回転・振動と比熱(定性的に)
  6. 第52章グランドカノニカル分布と量子統計 — フェルミ分布とボース分布 開いた系とグランドカノニカル分布の導出,大分配関数 $\Xi$ とグランドポテンシャル,化学ポテンシャル $\mu$ の意味,同種粒子の量子統計 — フェルミ粒子とボース粒子,フェルミ=ディラック分布の導出,ボース=アインシュタイン分布の導出,古典極限 — ボルツマン分布への帰着,3次元の状態密度と自由電子気体のフェルミエネルギー,縮退フェルミ気体の比熱,ボース=アインシュタイン凝縮
  7. 第53章光子とフォノンの統計 — 黒体放射とデバイ模型 光子気体と化学ポテンシャル $\mu=0$,空洞内の電磁波のモードを数える,プランクの放射式,ウィーンの変位則,シュテファン=ボルツマンの法則と光子気体の熱力学,宇宙マイクロ波背景放射,固体の格子振動とフォノン,デバイ模型 — 状態密度・デバイ振動数・デバイ温度,デバイ模型の比熱 — $T^3$ 則とデュロン=プティの法則,光子とフォノン — 二つのボース気体
第VIII部 特殊相対性理論
  1. 第54章ガリレイの相対性からローレンツ変換へ ガリレイの相対性,光の速さの謎 — マクスウェル方程式とガリレイ変換,マイケルソン=モーリーの実験,アインシュタインの 2 つの原理,ローレンツ変換の導出,ローレンツ因子 $\gamma$ とガリレイ変換への極限,行列で書いたローレンツ変換
  2. 第55章ローレンツ収縮・時間の遅れ・速度の変換 ローレンツ収縮 — 動いている棒の長さ,時計の遅れ — 固有時と時間の伸び,ミューオン(μ 中間子)の相対論的効果,赤方偏移 — 光の相対論的ドップラー効果,ロケットの問題 — 光が届くまでの時間をふくめて考える,ローレンツ速度変換,応用:GPS 衛星の時計の補正
  3. 第56章ミンコフスキー時空 — 同時性の相対性と固有時 座標の差の変換と速度の合成則,同時性の相対性,時空図 — 世界線・光円錐・S′ の座標軸,不変間隔と因果律,固有時,双子のパラドックス,ラピディティ — ローレンツ変換は双曲線回転
  4. 第57章4元ベクトルと相対論的力学 — E=mc² と粒子の運動学 4元位置ベクトルと添字の約束,計量と内積 — 添字の上げ下げとアインシュタインの縮約記法,ローレンツ変換 $\Lambda^\mu{}_\nu$ と 4元ベクトル,4元速度,4元運動量と $E^2=(pc)^2+(mc^2)^2$,質量とエネルギーの等価性 — 静止エネルギーと運動エネルギー,4元運動量の保存と 2体崩壊,不変質量と衝突 — しきいエネルギー,コンプトン散乱の運動学
  5. 第58章自然単位系と電磁気学の4元形式 — 素粒子物理学への準備 自然単位系 $c=\hbar=1$ — 単位を消して式を見やすくする,4元勾配 $\partial_\mu$ とダランベルシアン $\Box$ — 波動方程式のローレンツ不変性,4元電流と電荷保存則,ベクトルポテンシャルと4元ポテンシャル,場のテンソル $F^{\mu\nu}$ — 電場と磁場を 1 つにまとめる,マクスウェル方程式の共変形とローレンツ条件,電場と磁場の変換 — 観測者によって混ざり合う,共変なローレンツ力,自由粒子の相対論的ラグランジアン,$E^2=p^2c^2+m^2c^4$ から相対論的量子力学へ — 本書全体をふりかえる
付録
  1. 付録A演習問題の解答 各章末の演習問題の完全な解答
  2. 付録B物理定数・単位・記号の一覧 物理定数(CODATA 2018),SI 単位と接頭語,ギリシャ文字の読み方,本書で使う記号と初出の章への索引

底本

東京理科大学 先進工学部 マテリアル創成工学科 望月研究室 発展教材 AD 03
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